人材紹介にかかる手数料の相場は?算出方法や注意点をわかりやすく説明

人材紹介会社を経由して人材を採用する場合、一定の手数料が発生します。成果報酬型であるため成功前でも算出可能ですが、計算式がわからなければ算出できません。また、人材紹介の手数料以外でも注意すべきポイントがあります。
本記事では、人材紹介に必要な手数料の計算方法と相場、手数料に関係する注意点を解説します。
目次
- 届出制手数料の算出方法
- 届出制手数料のシミュレーション
- 上限制手数料の算出方法
- 上限制手数料のシミュレーション
- 短期間で人材を確保できる
- 採用担当者の負担を軽減できる
- 着手金が必要な場合がある
- 採用人数分の手数料が発生する
- 場合によっては短期間の退職では返還を受けられる
人材紹介には手数料がかかる
人材紹介で発生する手数料は、基本的には成果報酬型です。人材紹介会社のビジネスモデルとして、ひとりの採用が決まるごとに報酬が発生する仕組みです。一律いくらと決まっている場合もあれば、採用した人材に支払う年収から何%となっている場合もあります。
基本的には、採用決定後に費用を支払うことが多いです。紹介された求職者の支払いが発生する費用はなく、紹介先企業が人材紹介会社に全額支払います。人材紹介会社のビジネスモデルはこのようになっていると理解しておきましょう
人材紹介にかかる手数料の算出方法・相場
手数料の算出方法には、以下の2種類があります。
- 上限制手数料:紹介した労働者の半年分賃金の11%以下を手数料として受け取る方式
- 届出制手数料:事前に厚生労働大臣に届け出た範囲で手数料の額を決めて受け取る方式
人材紹介会社はどちらの方式を選んでも構いません。しかしほとんどの会社は届出制手数料を採用しています。届出制手数料の算出方法は以下の通りです。
届出制手数料の算出方法
計算式に登場する理論年収とは、一般的に労働者の月次給与の12ヶ月分と交通費以外の諸手当、報奨金などを合計した金額を指します。理論年収には賞与などの手当も含まれる点に注意が必要です。
採用決定者の紹介手数料 = 理論年収 × 手数料割合
多くの人材紹介会社では理論年収の30~35%を手数料割合として定めており、これをもとに紹介手数料を算出することが一般的です。
届出制手数料のシミュレーション
具体的に理論年収が600万円で、手数料割合が35%である場合、紹介手数料は次のようになります。
600万円×35%=210万円 |
上限制手数料の算出方法
上限制手数料の算出方法は以下のとおりです。
紹介手数料 = 採用決定者の6ヶ月分の賃金 × 11%
上限制手数料のシミュレーション
先述した算出方法に則って、実際に上限制手数料を計算してみましょう。すると次のようになります。
300万円×11%=33万円 |
手数料がかかっても人材紹介を利用するメリット
採用する人材の年収によるものの、決して安いとは言えない手数料を支払う人材紹介サービス。しかしそれでも人材紹介サービスを利用するメリットがあります。次の2つについて詳しく見ていきましょう。
短期間で人材を確保できる
最大のメリットは短期間で人材を確保できる点です。人材採用は自社で完結させようと思えばできないことはありません。しかし、理想としている人材が応募してくるかどうかとなれば話は別です。理想とする人材に早く的確にアプローチするには、人材紹介会社を通して紹介してもらうのがベストです。
費用対効果の面で見ても、いつやってくるかわからない理想の人物のために求人広告や転職フェアへの出展を続けていても意味がありません。短期で適切な人材を採用するには、人材紹介会社を利用するのが近道です。
採用担当者の負担を軽減できる
上記の内容と連動して、採用担当者の負担を大幅に軽減できる可能性があります。求人広告の作成や転職フェアへの出展を積極的に行わなくて済むため、総合的に見て採用担当者の負担が軽くなるのです。
負担が軽くなった採用担当者は、新たに新卒採用や別の人材採用の方法を検討することもできます。これにより企業の事業拡大にも大きく貢献できるでしょう。
ただし負担がゼロになるわけではなく、あくまでも軽減されるだけです。人材紹介会社からの紹介で人材が採用できれば、社員証の発行など採用後の業務が発生します。
人材紹介の手数料に関する注意点
人材紹介の手数料は、実際に採用が決定してから初めて発生します。しかしそれ以外にも注意すべきポイントがあることを忘れてはいけません。代表的なものは次の3点です。
- 着手金が必要な場合がある
- 採用人数分の手数料が発生する
- 場合によっては短期間の退職では返還を受けられる
それぞれの詳細を解説します。
着手金が必要な場合がある
人材紹介会社によりますが、手数料の他に着手金(リテーナーフィー)が必要になる場合があります。
人材紹介には、転職希望者の条件を見て企業に紹介する一般紹介・登録型と、人材が欲しい企業の依頼を受けて条件に合う人材を探すサーチ型の2種類があります。着手金が発生するのはサーチ型の方で、求人を依頼した時点で紹介手数料の一部を支払わなければなりません。また着手金額は、採用の難易度や成功率によって変動します。
併せて覚えておきたいのが返還の有無です。一般紹介・登録型と違い、仮に人材が採用できなくても着手金の返金はありません。依頼を検討している人材紹介会社がどちらのタイプの人材紹介を採用しているのか、きちんと確認しておくようにしましょう。
採用人数分の手数料が発生する
人材紹介の手数料は、実際に採用した人数分の合計が支払総額となります。仮に1人当たり150万円の手数料となった場合、最終的に3人採用すると合計で450万円が手数料となるのです。
いかに採用の手間が省けるとはいえ、大人数を採用するとなると赤字となってしまう可能性も考えられます。どうしても必要な人材だけを人材紹介会社に紹介してもらい、それ以外は他の採用方法と併用するとよいでしょう。
場合によっては短期間の退職では返還を受けられる
人材紹介会社によっては、紹介し人材が早期に退職してしまった場合、支払われた手数料の一部を返還しているところもあります。これを返還金規定といい、人材紹介会社が独自に設けているルールです。一例として以下の数字を見てください。
退職時期 | 返還される手数料の割合 |
---|---|
入社後1ヶ月以内 | 80% |
入社後1ヶ月以上3ヶ月以内 | 50% |
どれだけ勤務期間が短くても全額返還されるわけではありません。また割合も一例でしかないため、詳細は依頼を検討している人材紹介会社に問い合わせてみましょう。
まとめ
人材紹介会社の手数料は決して安いものではありません。しかし地道に採用活動を行うよりも、ターゲットとしている人材を発見しやすく、トータルのコストで見ても安上がりになる可能性があります。他の採用方法と併用しつつ、必要な人材確保のために活用してみるのもよいかもしれません。
どうしても急務で人材が必要な場合は、人材紹介会社を活用しましょう。フルキャストにはさまざまな業種に対応できる人材が登録しています。グループ会社も含めて圧倒的な登録スタッフ数の多さを誇るため、業務経験者など希望の条件に合った人材を選定して紹介してもらえるでしょう。人員を探しているのであれば、ぜひ一度フルキャストも検討候補に入れてみてはいかがでしょうか。