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多重派遣・二重派遣とは?禁止される理由や罰則についてわかりやすく解説

多重派遣・二重派遣とは?禁止される理由や罰則についてわかりやすく解説

多重派遣・二重派遣は法律によって禁止されています。これらは罰則の対象であり、厳守しなければならないルールです。多重派遣・二重派遣にならないよう、注意をしなければなりません。

本記事では、多重派遣・二重派遣が禁止されている理由や罰則内容、確認事項を解説します。

目次

多重派遣・二重派遣とは

多重派遣・二重派遣が禁止されている理由

- 責任の所在が不明確になるから

- 労働条件が守られない可能性があるから

多重派遣・二重派遣にあたるケース

多重派遣・二重派遣を行った場合の罰則

- 職業安定法に基づく罰則

- 労働基準法に基づく罰則

多重派遣・二重派遣を防ぐための確認事項

多重派遣・二重派遣に関するよくある質問

- Q.多重派遣・二重派遣になりやすい業界はある?

- Q.多重派遣・二重派遣であることを知らずに派遣スタッフを受け入れていた場合どうなる?

- Q.多重派遣・二重派遣の抜け道はある?

まとめ

多重派遣・二重派遣とは

多重派遣・二重派遣とは

多重派遣・二重派遣とは、派遣先企業からさらに別の企業へ再派遣されることです。派遣先の件数で二重派遣と呼んだり、多重派遣と呼んだりします。

(引用:厚生労働省「労働者派遣制度の現状等に関する資料」)

(引用:厚生労働省「労働者派遣制度の現状等に関する資料」)

 

多重派遣・二重派遣は法律で禁じられているため、違反すれば罰則の対象です。大前提として労働者派遣は許可制の事業であり、許可を得ていない事業者が行う時点で違法となります。ただし、派遣された労働者が多重派遣・二重派遣だと知らずに受け入れていた場合は罰則の対象にはなりません。

 

派遣をめぐる問題は年々増加しており、厚生労働省の資料によると派遣先指導実施件数が1.5倍以上となった年もあります。以下の表は、厚生労働省が出した平成14~18年の労働者派遣事業に対する指導・監督実施件数です。

労働者派遣事業に係る指導監督実施件数

(引用:厚生労働省「労働者派遣制度の現状等に関する資料」)

多重派遣を割けるために請負契約に切り替えたとしても、発注者が業務に関する指示を出している場合は偽装請負となり、実態は多重派遣と判断されて罰則の対象です。偽装請負の詳細は以下の記事を参考にしてください。

関連記事:偽装請負

多重派遣・二重派遣が禁止されている理由

多重派遣・二重派遣が禁止されている理由

多重派遣・二重派遣が禁止されている理由は以下の3つです。

  • 責任の所在が不明確になるから
  • 労働条件が守られない可能性があるから

それぞれ理由とともに解説します。

責任の所在が不明確になるから

多重派遣・二重派遣では、派遣労働者を保護する責任の所在が不明確になります。賃金の支払いや事故が発生した際の責任はどこが取るのかなどです。結果、労働者が守られず、派遣労働者が不利益を被ってしまいます。

 

代表的なものが労災事故が起きた際の責任です。通常であれば指揮命令権は派遣先にありますが、当該派遣先がさらに他の派遣先に派遣してしまうと、当該指揮命令責任が不明確になってしまいます。責任の所在を明確にするため、多重派遣・二重派遣は禁止されているのです。

 

労働条件が守られない可能性があるから

上記の「責任の所在」に関連して、労働条件の問題もあります。代表的なものでは勤務時間、残業の有無、休日や有給です。

 

そもそも多重派遣では、契約上の派遣先と実際の派遣先が異なります。そのため労働者と派遣元で本来契約を取り交わしていた勤務時間や休憩時間が取得できない可能性も考えられます。

 

立場上、派遣労働者が抗議することは難しいため、こういった事態を避けるためにも多重派遣は禁止されています。

 

 

多重派遣・二重派遣にあたるケース

多重派遣・二重派遣にあたるケース

多重派遣・二重派遣になるケースとして代表的なものは以下の2つです。

 

  • 派遣労働者の再派遣
  • 偽装請負

 

つまり派遣元から派遣された労働者は、当初の通り決められた派遣先で勤務する必要があるということです。この原則が守られていないと多重派遣・二重派遣とみなされます。

 

実際に派遣労働者を受け入れた派遣先が多重派遣されている事実を知らなければ罰則の対象にはなりません。しかし発覚した時点で改善をしなければ罰則の対象です。偽装請負も同様に罰則の対象となります。

多重派遣・二重派遣を行った場合の罰則

多重派遣・二重派遣を行った場合の罰則

多重派遣・二重派遣を行った場合、以下の法律によって罰則が科されます。

 

  • 職業安定法
  • 労働基準法

 

それぞれ対象者は誰なのか、何が違法なのかを解説します。

 

職業安定法に基づく罰則

職業安定法第44条において、労働者供給事業に関する事項が記載されています。派遣会社と派遣労働者の間には雇用関係があり、その指揮命令は派遣先が持っているという規定です。

 

多重派遣・二重派遣はこの原則を壊す形となり、労働者を再派遣した企業と受け入れた企業また派遣元に対し、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されます。

 

労働基準法に基づく罰則

労働基準法においては第6条「中間搾取の排除」に該当します。第三者の労力によって不当に収益を得ることを禁じています。分かりやすく言えばピンハネでわかる人もいるでしょう。

 

この問題では、再派遣を行った企業が罰則の対象です。罰則内容は、1人以下の懲役又は50万円以下の罰金です。

 

多重派遣・二重派遣を防ぐための確認事項

多重派遣・二重派遣を防ぐための確認事項

多重派遣・二重派遣は意図せず起こる場合もあります。過失の場合罰則の対象にはならないものの、派遣労働者を受け入れるのであればこれらのトラブルは起こしたくないでしょう。多重派遣・二重派遣を防止するには以下の項目を確認してください。

 

  • 社員のコンプライアンス意識
  • 契約内容
  • 派遣労働者へのヒアリング

 

ポイントは派遣先企業の本部が行うことです。社員が多重派遣・二重派遣についてよく知らないことで、派遣労働者を配置している部署内で勝手に再派遣が行われてしまう恐れもあります。社内で派遣社員を受け入れると決めたからには、関連する禁止事項や注意点を踏まえたコンプライアンスの徹底周知が必要です。派遣労働者へのヒアリングや実態調査は、アフターフォローとして積極的に行うと良いでしょう。

多重派遣・二重派遣に関するよくある質問

多重派遣・二重派遣に関するよくある質問

多重派遣・二重派遣に関しては、質問が寄せられることも多くあります。本記事では代表的な

質問を3つ取り上げて回答します。

 

Q.多重派遣・二重派遣になりやすい業界はある?

Q.多重派遣・二重派遣になりやすい業界はある?

 

A.製造業における作業員は多重派遣になりやすいとされています。派遣先企業において閑散期などで人手が余ってしまった場合に、他社へ再派遣を行ってしまうケースなどがあるようです。

以下の記事では、製造業で人材派遣を活用する際、注意しなければいけない問題点などを解説しています。適正な受け入れができていないと、法律違反となり罰金を科されることがありますので理解しておきましょう。

「製造業で人材派遣を活用する際に注意したい問題点と解決方法」

Q.多重派遣・二重派遣であることを知らずに派遣スタッフを受け入れていた場合どうなる?

Q.多重派遣・二重派遣であることを知らずに派遣スタッフを受け入れていた場合どうなる?

 

A.多重派遣・二重派遣になっている事実を知らずに派遣スタッフを受け入れていた場合は罰則の対象外です。ただし発覚した時点で改善しなければ、罰則が適用される可能性があります。

 

Q.多重派遣・二重派遣の抜け道はある?

Q.多重派遣・二重派遣の抜け道はある?

 

A.多重派遣・二重派遣の抜け道はありません。偽装請負が抜け道のように言われることもありますが、こちらも法令違反であることを認識しましょう。

 

まとめ

多重派遣・二重派遣は、派遣労働者を守るために派遣先企業が行なってはいけないルールです。守らなければ法律で罰せられるだけではなく、企業としての信用問題にも関わります。派遣労働者を受け入れる際には、自社の業務状況や派遣元との契約内容をしっかりと精査するようにしましょう。

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