小売業界は人手不足を課題に抱えている

近年、小売業界は人手不足の課題を抱えています。

厚生労働省が発表した2013〜2019年の調査によると、小売業の有効求人倍率は全職種の有効求人倍率1.45倍に比べて2.58倍となっており、その上年々有効求人倍率は増加傾向となっています。

特にスーパーマーケットは人手不足に悩む企業が多く、2022年のスーパーマーケットの年次統計調査によると、必要な正社員数のうち採用できている割合は81.6%で、必要なパート・アルバイト人数のうち 採用できている割合に至っては77.0%と低い数値となっています。

スーパーで人手が不足している原因

それではなぜスーパーではこのような人手不足の状態に陥ってしまっているのでしょうか。
その理由としては、下記の二つが考えられます。
・土日に休みにくい
・早朝・深夜勤務のシフトがある
それでは詳しくみていきましょう。

土日に休みづらい

まず一つ目の理由として、土日に休みが取りづらいことが挙げられます。スーパーは基本的に毎日営業しており、定休日がほとんどありません。そのため、一般的に休日である土日祝には利用するお客さまが増える傾向にあります。土日祝日に利用するお客様の数が増えることで、スーパーに配置する人数を平日よりも多くしなければならず、土日に休日を取得することが難しくなってしまいます。また同じような理由から、連休が取りにくいのも事実です。特に、年末年始やゴールデンウィークなどスーパーが忙しくなる時期に連休を取得することは難しくなっています。これらの大型連休は利用客が通常時よりも多く来店することが見込まれるため、より多くのスタッフが必要となるからです。

休みが不定期なこと、カレンダー通りではないこと、さらに連休を取りづらいことから、スーパーで働くことを敬遠されてしまい、人手不足に繋がってしまっていると考えられます。

早朝・深夜勤務のシフトがある

二つ目の理由として、多くのスーパーで早朝や深夜のシフトがあるということが挙げられます。スーパーによっては、24時間営業している店舗もありますし、そうでなくても早朝から開店して深夜まで営業していることも多くあります。一方で、スーパー で働くアルバイト・パートスタッフは主婦や学生などが多く、早朝や深夜勤務があると家庭や学校と両立をするのが難しくなってしまいます。これらのことから、早朝や深夜の時間帯に勤務できる人が少なくなってしまい、人材不足を引き起こしているのです。

スーパーの人手不足を解消するための対策

それでは、スーパーの人手不足を解消するための対策としてどのようなことが考えられるでしょうか。対策としては、主に下記の7つが挙げられます。

● リクルート活動の強化
● 高齢者の再雇用
● 外国人労働者の採用
● パート・アルバイトの正社員化
● 定年年齢・雇用上限年齢の引上げ・撤廃

2022年のスーパーマーケットの年次統計調査によると、人手不足対策の取り組み実施率は全体の95.1％と高い割合で人手不足対策に取り組んでいます。取り組み内容の割合を見てみると、「リクルート活動の強化」が55.2%で最も高く、次いで「高齢者の再雇用」54.5%、「パート・アルバイトの正社員化」が46.1%の順に続いています。都市圏の企業は、地方圏に比べて「外国人労働者の採用」「パート・アルバイトの正社員化」の実施割合が高いことも調査で明らかになっています。

このように、スーパーの人手不足にはリクルート活動を強化するという根本的な対策に加えて、高齢者の再雇用や外国人労働者の採用など採用対象自体を見直すことも鍵であることがわかります。

レジ業務を派遣会社に外注するのも一つの方法

スーパーの人手不足を解消するための対策として、レジ業務を派遣会社に外注することも一つの方法です。

2022年のスーパーマーケットの年次統計調査によると、スーパーのパート・アルバイトが不足している部門としては、「レジ」が72.1%で最も割合が高くなっていました。先ほども触れましたが、スーパーのバイト・パートでは学生や主婦層がメインとなりますが、休みの取りづらさや早朝・深夜勤務がネックとなり採用が難しい状況に陥っていると考えられます。

また近年では人手不足を解消するためにセルフレジを導入するスーパーも増えてきていますが、高齢の方などで使い方がわからずセルフレジを利用しないお客様も多いため、いまだに有人レジの需要は高いままとなっています。

レジ部門を外注するメリット

レジ部門を外注するとどのようなメリットがあるのでしょうか。

まず前提として、外注をする際には「人材派遣」と「アウトソーシング」があります。派遣は、派遣先の企業（この場合はスーパー）が派遣された人材に直接指揮命令をしますが、アウトソーシングは指揮命令を出すのは雇用関係のある請負事業主で、依頼した企業（スーパー）から労働者に指揮命令関係が生じません。

派遣に関しては、スキルのある人材を少人数から派遣してもらうことができ、ゴールデンウィークや年末年始などの繁忙期に短期間の期間限定で契約を行うことができるのがメリットです。指揮命令関係もあるため現場で派遣スタッフに直接、指示ができ効率的に業務を行うことができるのもメリットでしょう。

一方で、派遣された人材の教育はスーパー側が行わなくてはなりません。また、具体的な業務内容は事前に契約で決められており規定外の業務や時間延長を行なってもらうことが難しいのがデメリットです。

アウトソーシングに関しては、事前に内容のすり合わせを行えばあとは請負業者が業務を進めてくれるためスーパー側が管理業務から解放されることがメリットです。

一方で、レジ業務を請負業者に任せることになり、指揮命令関係もないため現場でスタッフに直接、指示をすることができません。また請負業者が業務や教育を一括して行うので、社内に知識やノウハウが蓄積されないこともデメリットです。

スーパーのレジ部門の外注に関して見てみると、繁忙期のみの依頼ができたり、現場での指示も容易に行うことができるという点で、人材派遣の方が柔軟性があり取り入れやすいのでは無いでしょうか。

レジ部門を外注するときの注意点

レジ部門の外注に関して見てきましたが、レジ部門は金銭のやり取りという責任の重い業務を担っているため、注意も必要です。

外注を利用する際は短期間での採用なども多くなるとは思いますが、特に繁忙期ではミスなども発生しやすくなってしまいます。事前の研修はもちろんのこと、クレームの際にどのような対応をすべきのマニュアル化などを進めることによって、従業員が働きやすい環境を作ることが大切でしょう。とくにクレーム対応は従業員にとって大きなストレスとなるため、それらを軽減することでそもそものミスを減らすことにもつながるでしょう。

責任のある業務だからこそ、しっかりとした環境づくりが大切です。

まとめ

ここまでスーパーの人手不足やレジ部門の外注について解説してきましたがいかがだったでしょうか。

スーパーのレジ部門での人手不足を解消するには、リクルート活動を強化するという対策や高齢者の再雇用や外国人労働者の採用など採用対象自体を見直すことが重要です。またレジ部門の採用は特に難しいため、レジ部門の外注を行うことも有効です。繁忙期のみの依頼ができ、現場での指示も容易に行うことができる人材派遣の方がスーパーのレジ部門ではおすすめです。

1990年の設立依頼、多くの人材派遣の実績があるフルキャストではレジスタッフの手配も行っており、スーパーでのレジ業務の経験が豊富なスタッフの派遣も可能です。ご要望にあったスキルのある人材を手配することもできるので、気になる方はぜひ気軽にお問い合わせしてみてください。